リクルートスーツを考える

リクルートスーツを考える

 早いもので、令和4年に入って半月が過ぎました。先日弊社では、新成人の皆様のためのスーツをお納めするという大切な「節目」を終えたところです。
何かと不自由な時代ではありますが、社会生活の「節目」は変わらず粛々とやってきます。
間も無く季節は春。卒業・入学・入社・異動・ご退職などなど、それぞれの「節目」を迎えられることと思います。
 
新学年になって就活がスタートする方もいらっしゃると思います。
本日は、リクルートスーツについてご一緒に考えてみたいと思います。
 
実は…
改めて「リクルートスーツ」についてみてみると、弊社とはかなり違っており…少々まごつきました。


OUTLINE
 
1. 弊社の就活用スーツ(リクルートスーツ)
2. 一般的なリクルートスーツ
3. リクルートスーツの歴史
4. 就活用スーツ(リクルートスーツ)比較表
5. リクルートスーツの色
6. ビジネススーツ、礼服との違い
7. まとめ
 
 

1. 弊社の就活用スーツ(リクルートスーツ)

 

弊社でご用意させて頂いている就活用スーツ(リクルートスーツ)
 
お色は;
主に濃紺と濃いグレー(チャコールグレー)
 
素材は;
ウール100% もしくは、ウール50%ポリエステル50%等の混紡
 
お仕立てくださる方々;
・就活支援会社様所属の就活生の方々
・弊社のHPをご覧になった就活生の方々
・就活生のご両親様
・お子様が高校卒業を迎えるご両親様
 
高校卒業のタイミングでご用意されますと、コストパフォーマンスは最も良くなります。
大学入学式・成人式・就活・大学卒業式・入社式・新入社員の間の数年間・その間に生じた冠婚葬祭と、一定の年数ご活用頂けるからです。
 
平均単価;
53,900円(税込VIP価格)
 
 
 
 

2. 一般的なリクルートスーツ

 

「リクルートスーツ」と検索してみると、以外なことが書かれていました。
ざっくりまとめるとこんな感じです
・リクルートスーツは、安いものである(∵ポリエステル製だから)
・リクルートスーツは、ポリエステル製のものにすべし(∵シワにならないから)
・リクルートスーツは、就活の期間だけ着るもの(∵素材的に耐久性がないから)
・リクルートスーツは、礼服として着用すべきでない(∵生地が良くないので見劣りするから)
・リクルートスーツは、入社後着用すべきでない=リクルートスーツとビジネススーツは別物(∵就活生仕様の生地だから)
 
 

3. リクルートスーツの歴史

 

そもそも、就職活動に着用する洋服を「リクルートスーツ」と呼ぶ様になったのは、どう言ったいきさつなのでしょう?
 
「リクルートスーツ」「歴史」と検索してみると…
 
誕生は、1977年
大学生協が伊勢丹と提携して、新宿伊勢丹で「リクルート」と言う名前で就職活動用のスーツを売り出したのが始まりだそうです。
 
ウール100%2万9千円のイージーオーダースーツが
 
週1000着売れ、以後全国に広まったそうです。
 
金額は、現在量販店で売られているものより高かった様ですね。
 
この後、「リクルート〇〇」と言うネーミングが広まり、「リクルートルック」「リクルートスタイル」と言う呼び方を経て、2000年代前半には「リクルートスーツ」に統一されたと書かれています。
 
リクルートスーツは、
ウール100% 29千円のイージーオーダー
から始まったのですね。
 
横道にそれますが…
面白いのは、イージーオーダーの価格が今も大きく変わっていないこと。
実際、オーダースーツ の価格は昭和期からさほど変動がありません。
むしろ低価格になったものもあります。
ここに来て、「ウールショック」による羊毛の高騰で値上がり傾向となってはいますが…。
 

 

4. 就活用スーツ(リクルートスーツ)比較表

 

現在、多くのチェーン店やサイトで推奨されているリクルートスーツは;
 
化学繊維(ポリエステル、レーヨン等)100%
1万円前後~
既製品

「リクルートスーツとビジネススーツは別物」
「ビジネススーツが必要になったら、買いましょう」
「リクルートスーツは礼服にはならない」
「礼服を買いましょう」

と言うことでした。
 
わかりやすく表にしてみました。
 

就活用スーツ(リクルートスーツ)比較表
 
               一     般                           弊   社              
       色        黒、紺、濃グレーの無地 紺、濃グレーの無地
     素  材     化学繊維 ウール、混紡
   着用期間    就活期間 特になし
礼服兼用の可否 不可である場合が殆ど
      お洗濯      手洗い可のものもある クリーニング
       価 格       1万前後〜 VIP価格税込53,900〜
        製 法       既成 オーダー(国内縫製)
 
 
 

 

5. リクルートスーツの色

 

就活用スーツ(リクルートスーツ)としては、一般的に黒、紺、濃グレーの無地が推奨されています。
就活生は面接で言動や態度だけではなく服装もチェックされていると言われ、あまりに華美なものだと「入社してもこの会社のルールを守れないのではないか」「一般常識がない」「順応性がない」などの印象を与えてしまう危険性があるからだと言われています。
無難な色と言われがちな黒・紺・グレーですが、キリッと引き締まった印象・誠実さ・勤勉さ・品格を伝えられる色です。

前項「リクルートスーツの歴史」にお書きしたような経緯で、
大手販売店にとってリクルートスーツは定期的に大量販売の見込める「アイテム」となりました。
今では量販店が学生向けにテレビCMやインターネット広告を展開し、着用目的や期間を「就活」に絞って販売しています。

 

6. ビジネススーツ、礼服との違い

 

上記の様な販売戦略で(?)、「リクルートスーツは、特別なもの(特殊なもの)」とされています。
多くのサイトで「ビジネスで着用するスーツとは違う・礼服とは違う」と言う説明がされ、
就職したら「もう1着ビジネススーツを買いましょう」
「礼服は上質なものを買いましょう」と薦められています。
 
本当に「特殊」なのかな? と私どもは思っています。

私どもの考える「特別」は、以下の様な感覚です;
人生を左右するであろう「就職活動」の時期に、
生活の基盤となる「働く場」を決めると言う崇高な目的のために
「特別」な思いを持ってご着用頂く服

私どもとしても、「特別な思い」を持ってお仕立てしています。

せっかくお誂え頂くのなら、数多くの場面でご活用頂きたいと思っています。
 
この感覚は先代・先々代の頃から変わりませんが、
弊社で特に「就活用スーツ(リクルートスーツ)」を意識する様になったのは、
十数年前に正にリクルート社出身の方とのご縁がきっかけです。
 
就活支援団体を主宰されており、
就活用スーツは「自身の志を立て、品格を現すために大切である」と就活生の方を指導され、
弊社でお手伝いさせて頂く様になりました。

実用面においても、薄い化学繊維の素材はかえってシワになりやすい・物により毛玉ができやすいと言ったことが起こり、印象を損ねかねません。
弊社では、もともと自浄作用のあるウールの混紡率の高い国産生地で就活用スーツをお仕立てしております。
他のスーツと同じバンチからお選び頂いておりますので、入社後ビジネススーツとしてもご着用頂けますし、略礼服としてもご活用頂いております。
少々金額がお高くなってしまうのが、難点です。
 

 

7. まとめ

 

リクルートスーツは無難な無地 
安価なもので就活期間をしのぐべき 
入社したら自分の好きな服を買おう 
礼服はちゃんとしたものを誂えよう
等々
 
改めて、「リクルートスーツ」を考えてみると…
就活スーツとしての定義は、企業の販売戦略やキュレーションメディアの就活マニュアルによって作られているものの様です。
 
「無地で控えめ」「無個性」と言う印象設計を、あなたが就職したい業界・企業が本当に望んでいるのか、しっかりご自身で情報収集され見極めて就活に臨んで頂きたいと思います。
皆さんのご活躍と就活の成就を、心よりお祈りしています。

 

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