会社の経営

会社の経営

ようやく秋らしい空気になってきました。
今月初めにモンゴルで1週間あまり過ごした身としては、残暑が非常に厳しかったです。

モンゴルでは、朝晩は薄手のダウンを着用するくらいの気候でした。
今回の旅でお世話になった遊牧民の少年の今朝のFBストーリーズには、雪の降り始めた様子が動画でアップされていました。

当地への旅行はカシミヤ工場の視察を兼ねていたのですが、実のところ、30年以上昔に先代(亡父)の友人からモンゴル高原の旅の醍醐味を聞いて以来、ずっと憧れていました。

 

〈モンゴル最大のカシミア工場にて〉

 

「大草原を遊牧民の先導で馬に乗って旅をする」「夜は、星空が圧巻」

「馬に乗って旅をする」とはなりませんでしたが、旅行の大半を大草原のゲルで過ごし、遊牧民の少年に手ほどきを受けながら朝から晩まで乗馬を楽しみ、夜は満天の星を心ゆくまで眺めました。

 

    

 

実は、今回の旅行は息子たちからのプレゼントでした。
3年後の100周年を目処に事業承継を進め、段取りが整ったところでのご褒美旅行でした。

 

承継が完了すれば、息子たちは経験のない中、経営者として身を立てて行くことになります。
今月のブログは、私からも息子たちへプレゼントを渡す気持ちで、「経営者」について書いてみたいと思います。会社にお勤めの方々にも、何らかの参考になりましたら幸いです。

 

【CONTENTS】
 
 
 
経営の語源

経営者になることは、新たに会社を設立する場合でも、少しの貯金と設立登記にかける時間を確保すれば出来ることです。
大切なのは、「いかに継続するか」です。
「全生活をかけて全精力を注ぐ」と、腹を括らなければ続きません。
成功していくためには、大きな責任を担い、多くの努力が求められます。

その責任や努力を自身の成長として楽しむことが、経営の面白さです。

「経営」という言葉の成り立ちを観ると、面白さの意味を味わうことができると思います。

「経営」という言葉の語源は、漢字の成り立ちを観ると理解が深まります。
「経営」は「経」と「営」二つの文字から構成されています。
 
  1. 「経」の語源

「経」という字は、中国の古典四書・五経などで「経書」や「経典」という言葉で使われており、「長い時間にわたって変わらない原理や道筋」を表します。「経」は元々、糸を縦に織ることを指し、糸が縦に長く通る様子から「続く」「繋がる」「規則」や「法則」という意味に転じました。これが転じて、「経営」においては「物事を継続的に管理・運営する」という意味が含まれるようになりました。

〈出典:OK辞典〉


奇しくも、生地を織るにもまず縦糸をセットすることから始めます。糸を生地として織り上げる道筋は、縦糸から〜アパレル業従事者として感慨深いです。

  1. 「営」の語源
「営」という字は、元々「家を作り、管理する」という意味を持っていました。
「営」は「根のある家」という意味を持つ「宫(きゅう)」と「火を扱う」という意味を持つ「火(か)」から成り立ち、家を維持し、生活の基盤を作ることを意味しています。ここから、後に「仕事を営む」や「経営する」といった活動全般を意味するようになりました。
 
〈出典:OK辞典〉
 
 
  1. 経営という言葉の意味
このように、「経営」という言葉は、「長期にわたる道筋や法則に基づいて、物事や組織を管理し、営むこと」という意味になります。古代中国の哲学的な概念が元になっており、単にビジネスの運営だけでなく、生活や社会を持続的に保つための基本的な活動全般を指す意味が含まれているのです。
 
したがって、「経営」の語源は、時間と秩序、そして維持や管理の概念に深く結びついているといえます。

 

 

経営者になることの価値


次に、経営者になることの価値を考察し、その役割がどのような挑戦や機会を生み出すのかを探っていきます。

 

  1. 自由と独立性

経営者が得られる最も大きな価値の一つは、自由と独立性ではないかと思います。経営者は、会社の戦略、方向性、目標を自ら決定する権限を持っています。これにより、他者に依存せず、自分のビジョンや価値観を反映した経営が可能になります。経営者として成功すれば、企業社会に大きな影響を与えることができる、自分の考えや理念を広める手段ともなります。

 

  1. 金銭的なリターン

経営者は、成功した場合に大きな利益を得ることが出来ます。会社の収益が上がると、経営者としての報酬も増えますし、会社の株式を所有していれば、その価値が上がります。 また、企業を売却する際には大きな利益を得ることができます。このように、経営者は成功に応じて金銭的なリターンを直接享受できる立場にあります。

 

〈写真提供:SCABAL〉
 
  1. 創造的な自由(創意工夫)とイノベーションの推進

経営者は、会社の製品やサービス、業務プロセスにおいて創造的な自由を持つことができます。新しいアイデアを試し、イノベーションを推進することで、市場での競争力を高めることが可能です。経営者は新しい事業機会を見つけて、それを会社の成長に繋げることができます。このような創造的な活動は、経営者にとって大きなやりがいとなります。

 

  1. 個人的な成長と学び

経営者としての役割は、絶えず変化する市場や技術の動向に適応し、学び続けることが求められます。したがって、経営者は自らのスキルや知識を継続的に向上させざるを得ないと言えます。また、困難な状況を乗り越える中でリーダーシップや問題解決能力が鍛えられますので、経営者でいること自体が日々の自己成長に繋がります。

 
 
経営者にかかる負荷

 

  1. 責任とストレス

経営者は、会社の成長や成功だけでなく、従業員の生活、顧客、取引先、そして投資家に対する責任も負います。この責任の重さは非常に大きく、特に会社が困難な状況に応じて経営者の判断の結果が会社全体に影響を与えるため、毎日の決断が極めて重要であり、そのプレッシャーを常に感じることになります。

 

  1. ワークライフバランス

経営者は長時間働く必要があり、プライベートな時間を犠牲にせざるを得ない場合もあります。 特に創業期や成長期には経営者が会社に専念することが求められるため、長期的な視点で、健康や家族や友人との人間関係に悪影響を及ぼすことのないよう、バランスを取ることが必要となります。

 

  1. 経営リスクの負担

経営者は、会社が決断する事項に対して全てのリスクを負う立場にあります。銀行借り入れや諸々の契約においては、連帯保証人とてして全責任を負うことになっています。市場の変動、競争の激化、技術革新、法規制の変更など、外的要因のリスクも経営者の責任となります。経済的な損失だけでなく、個人的な信用や評価が損なわれることもあります。 経営者個人が信用を失うと、会社の金融機関との関係性に響きます(融資打切りとなったり、新規借入れを断られる)。経営者は、あらゆるリスクを想定して経営計画を立てることが求められます。

 

〈写真提供:SCABAL〉
 
  1. 孤独感

経営者は、最終的な意思決定者であるため、孤独を感じることも多々あります。 従業員や他の経営陣と意見を交わすことはできても、最終的に責任を負うのは自分自身です。特に困難な状況に陥ったときや、重大な決断を下す際に、他人に頼れない孤独感を強く感じることがあります。このような孤独感が精神的な負担とならないよう、常日頃の工夫が必要です。

 

まとめ

 

以上の負荷を自分自身にとってのデメリットと受けとるか、成長の課題と受けとるかは、自由です。負荷を価値に転換できれば、経営者人生に豊かな実りがもたらされると思います。

 

会社の経営者になることは、自由と独立、金銭的な報酬、創造性、個人の成長といった多くの価値をもたらします。経営者として成功するためには、これらの価値と戦略を見据え、自分自身の目的や目標に合った経営スタイルを築くことが大切です。経営は挑戦に満ちた道ですが、その過程で得られる経験や学びは、経営者自身を大きく成長させてくれます

 

弊社は、オーダースーツ屋です。「装い」は、世の中のトレンド(動向)に直結しています。息子たちには、広い視野とその時々の価値を見極める「目」を育てて、良き経営者となってほしいと思います。

 

#経営者 #自己成長 #事業承継 #オーダースーツ

ページ上部へ