「スーツは寒い」とお悩みの皆さまへ

「スーツは寒い」とお悩みの皆さまへ

ようやく爽やかな秋の空気になりました。そろそろ衣替えを考える季節です。
日本では、6月・10月が衣替えのタイミングとされて来ました。

最近は気候変動や体感の変化等々で、厳密に衣替えの時期を守ろうという感覚が薄れてきたり、
そもそも衣替えをせずに春夏物で年間過ごされる方もいらっしゃったりします。

とは言え、真冬はやはり寒い。

また、2022年〜23年の冬は平年より気温が低くなるという予報も出ています。

 

「スーツは寒い」と言う方が多いようだ

とお聞きすることがあります。

あら、そうですかーーー???(スーツ屋の呟き)。

そもそも、スーツは「寒いヨーロッパで発達した」ことを考えると、本来は有り得ない話なのです。

シャツを第一ボタンまでしっかり掛けてネクタイを締めれば、体幹部の体温が確実にシャツの中に閉じ込められます。
その上に裏地付きのウールの上着を着るわけですから、寒いわけがない。。。
と言うのがスーツ屋の感覚です。

夏の間こちらのブログでも散々書いた通り、スーツはむしろ「暑さの大敵」なのですけれど。。。

でも、わかります。

「スーツ寒い」
 
今回は、その原因と対策をご紹介してまいります。
 
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原因

     1. 「スーツ寒い」の分析
     1)  サイズ合わない問題     
     2)  素材問題
   3)  女性のスカート問題 あるいは くるぶし丈パンツ問題

 

解消策

     2. 「スーツ寒い」を戦略的に解消する
     1) サイズとデザインを制覇すべし
     2)「目付け」を攻略せよ
     3) いつ誰が決めた?「ストッキングはマナー」説
     4) どうしても短いパンツが好きなあなたへ
 
 
防寒グッズ
      3.プラスオンの優秀なもの達

  1) マフラー・ストール
     2)「男も補正下着!」光電子®️機能性インナー

 
 
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原因
1.「スーツ寒い」の分析
なぜ「暑さの大敵」暖かいハズのスーツが寒いのか?
弊社的に分析してみたいと思います。
 
1)  サイズ合わない問題
 
<その1>意図的なデザインによるもの

最近オーバーサイズのデザインが流行っています。
ゆったりとした袖付け・袖幅、ビッグシルエット、抜襟デザインなど…洗練されたデザインがスーツにも反映されています。
襟なしのビッグシルエットのジャケットなどが挙げられます。
素敵ですが、風通しよくて寒い季節には風が入って来る…つまり寒いです。
何らかの寒さ対策が必要となります。

<その2>意図せずサイズの大きなものを着てしまっている場合

マッチョ体型、出腹、肩まわりが大きいなど標準サイズではない場合がこのカテゴリーに当たります。
一番気になる箇所でサイズを合わせるので、その他の箇所がブカブカになってしまう場合です。

・胸囲に合わせたら中胴(第一ボタンのあたりのお腹周りがブカブカ
・肩幅に合わせたら、ウエストがブカブカ
・お腹周りに合わせたら、胸のあたりがブカブカ

などです。

<その3>なんとなく好みでサイズの小さなものを着てしまっている場合

脚長効果や、タイトに見せたいなど…固定的な好みに固執してしまっている場合です。
昨年10月のブログ「スーツの着こなし〜パツパツと細身の違いについてhttps://www.chumon-fuku.co.jp/blog/16865/」で
お話しした身体に合わない短い丈やパツパツのサイジングがこれに当たります。

丈が短かすぎたり、きついのにボタンを締めて更にお腹が出てしまうなどの状態になってしまい、
お腹周り・腰回りから冷えてしまう事態が起こります。
 
 
<その1><その2><その3>に示した3つが、サイズの合わない原因として考えられます。
 

2)  素材問題
「サイズに問題がないのに、寒い」と言うこともよくあります。
その原因は、素材選びにあるかも知れません。
 
<その1>「素材のことは気にしていませんでした。」
「素材のことは気にしていませんでした。」と言う方が、意外と多いようです。
コスパ重視でスーツを選んだ場合に多いのですが、ポリエステルなどの化繊のスーツですと生地厚がなく「寒いスーツ」となってしまいます。
 
<その2>「ウールなのに何故寒いんでしょう?」
スーツ・ジャケットの生地は、5種類あります。
通年用、春夏秋3シーズン用、秋冬春3シーズン用、盛夏用、冬用の5種類です。

それぞれに特徴を示すと以下の様になります;
⑴ 通年用  
「薄すぎず、厚すぎず」のウール素材
⑵ 春夏秋3シーズン用
やや軽めのウール素材、モヘア*やシルク・麻等との混紡
秋冬春3シーズン
やや厚みのあるウール素材 カシミアやシルク・との混紡
⑷ 盛夏用
綿・麻素材、シアサッカー*や縮織の素材
冬用
厚地のウール素材 ツイードやフランネルなど、太い紡毛糸(ぼうもうし)*を使って平織り・綾織にした素材
 
モヘア*
アンゴラヤギの毛 光沢があって通気性に優れており、パリッ・サラッとした感触が特徴

紡毛糸*  
繊維を引き揃えず、短い毛や太さの違う毛をそのまま糸にしたもの。
糸の表面がフワフワ毛羽立っていて保温性に富んでいる。
最初から糸の表面が毛羽立っているので、毛玉が目立ちにくいと言うメリットもある。

⑴通年用、⑵春夏秋3シーズン用、⑷盛夏用(これは考えにくいですが)を図らずも選んでしまっていた場合、
「ウールなのに寒い」と言うことになってしまいます。

 


3)  女性のスカート問題 あるいは くるぶし丈パンツ問題
 
これは、もう、ズバリ! 関節を出しているから必然的に寒いです!
人のカラダは、関節から冷えるとも言われています。アスリートは、サポーターをして関節を守っていますよね。
関節を冷やすとカラダが冷えます。
膝の出るスカートやくるぶしの出る短い丈のパンツは、関節が出ているから寒いんです。
以上!でございます。
 
解消策

2. 「スーツ寒い」を戦略的に解消する 

1) サイズとデザインを制覇すべし

<その1> 無駄のないジャストフィットのサイズを選ぶ・オーダーする
原因1)<その2>で書いた様に、マッチョ体型、出腹、肩まわりが大きいなど標準サイズではない場合、
特に注意して頂きたいと思います。 そうでない方も、目安は「バランスの取れた軽やかな着心地」です。

先月のブログでも述べましたが、ジャケットは 「やじろべえ」です。
頚椎の付け根・肩に乗って均衡をとり、バランスよく全身を包んでストレス0の着心地となるのが理想です。
この着心地なら、サイズ感もほぼジャストフィットとなります。
 
既製品購入の際も、オーダーする際も、下記を採寸してもらい適正なサイズをお選びください。
サイズが適正であれば、冷えが入り込むことはありません。
・採寸ポイント
 肩幅/バスト/オーバーバスト/二の腕まわり/中胴/ウエスト/上着丈/ヒップ/ワタリ/ふくらはぎまわり

・更に下記のポイントの体型把握を依頼してください。
  猫背/鳩胸/出腹/出尻or平尻/なで肩/いかり肩/屈伸/反身/前肩
<その2>スーツの中に着るものを工夫する

ビッグシルエットのセットアップなどには、インナーにハイネックのシャツやタートルのセーターなどを合わせる。
スーツにもタートルのセーターを合わせる等、秋冬ならではの楽しみ方があります。

ハイネックやタートルは二重顎や首のシワを巧みに隠せるメリットもありますよ^^。
 
<その3> 防寒の助けとなるデザインでオーダーする
スーツには、防寒に役立つデザインがあります。
流石に、寒い国で発達した衣服だけあると感心します。
現代の様にダウンの様な素材も一般的ではなく、
家(館)の中でも暖房の行き届かない時代には、身に着ける服そのもので暖をとる工夫がされていたのだと思います。

お勧めは、ダブル・ジャケットスリーピース(三つ揃い)です。

ダブル・ジャケットは、打ち合わせ部分が二重になりますので、胸部・腹部・鼠蹊部まで二重にカバーされる形となります。

スリーピース(三つ揃い)は、ジャケットの下にベストを着用しますのでダブル・ジャケット同様に暖かさを確保することができます。
・6つ釦など、襟開きの狭いもの
・ダブルの打ち合わせのもの
・襟付きのもの
ですと、一段と暖かくなります。三つ揃いの場合のジャケットは、シングルとなります。
 
パンツの丈も、ハーフクッションかワンクッションの長さにされると防寒にも役立ちます。
くるぶしが出るショート丈は、前項で申し上げました通り冷えます。

 

2) 「目付け」を攻略せよ
 
「目付け」とは、日本では生地1㎡あたりの重さを示しています。
 
目付けが重いほど、生地厚があり暖かいと言うことになります。
 
概ね目付け250g以下は春夏向き、280g以上が秋冬向きと考えて頂ければよろしいかと思います。
 
 
 


3)  いつ誰が決めた?「ストッキングはマナー」説

弊社が不可解なことの筆頭に上がってしまうのが、
 
女性のスカートとのセットアップでのスーツには
「ナチュラルカラーの(透明感のある肌色の)ストッキングを履かないとマナー違反」
 
と言うもの。

スーツ屋としてはですね。。。。
ナチュラルカラーの、つまり見た感じ生足のストッキングは、黒・白・グレー・パステルカラーのスカートにしか合わないです。

就活や会社規定でよく決められている黒のパンプスと組み合わせると、他の色のスカートにはなんか合わない、
と言うかダサいし妙になまめかしくてむしろ破廉恥な印象を感じます。

冬場は寒々しいし、
膝丈より短いスカートの場合、椅子に腰掛けるとスカートが太もも迄ずり上がります。
太もも丸見えになる方が、マナー違反な気がするのは私だけですかね?

そもそも、スーツは相手の方への敬意を現すための装い
相手の方に安心して誠意を感じて頂くための装いです。その観点からも、疑問を感じます。

ですが、就活やオフィス指導では「ナチュラルカラーのストッキングマナー絶対論」が説かれています。
 
このマナー論の起源は不明です。調べても今のところ出てきません。
 
ところで、ストッキングっていつできたのでしょう?

検索すると、この様な説明がありました;
 
1935年、米国の化学会社デュポンが、石炭空気から世界で最初の合成繊維「ナイロン」を開発。
当初は歯ブラシなどを商品化していたが、
1940年5月15日、後にN-DAYと記録されるこの日、全米でナイロンストッキングが発売されセンセーションを巻き起こした。

これ以降、ストッキングが多用された様です。かなり最近のことなんですね。
こんなことを踏まえた上で、対策です(どうしても、ナチュラルカラーストッキングを遵守しないと、人生が狂ってしまう就活生の皆様と会社の規定で縛られている女性向け対策です)。

1.可能であればパンツスーツにしましょう
2.どうしてもスカートでなければダメなら;
  ・長めの丈にする
  ・会社、面接会場まではブーツで行く
  ・膝かけ代わりのショールを持参する
 ストッキングの重ねばきを勧める方もいますが、度を越した(3枚以上の)重ね ばきは、
血流を悪くするなどの影響もありそうです。鼠蹊部・脚部・つま先の血行不良は浮腫み冷え性肥満ひいては不妊に繋がります。
 


 4)  どうしても短いパンツが好きなあなたへ

まだどうしてもタイトなくるぶし丈のパンツが好きな方には;
・くるぶしソックではなく、長いソックスでパンツとのカラーマッチングを楽しみましょう。
・または、ライダーズブーツなどで冬ならではのファッションを楽しみましょう。
寒さを撃退しながら、おしゃれを楽しむことができます。
 
 
防寒グッズ
3.プラスオンの優秀なもの達

プラスアルファのアイテムで暖かさを確保することも良いですね。

 

1) マフラー・ストール
 
首回りは、保温の「ツボ」でもあります。 
カシミアやシルクのマフラーやストールで、ワンランク上のおしゃれを楽しむのもこの季節ならではの良さです。
(写真:Pinterestより)
 
 


2) 「男も補正下着!」光電子®️機能性インナー
 
冬あたたかく過ごすアイテムを、もう一つご紹介させてください。
実は、7月のブログ「就活生夏の陣」4-⑧ https://www.chumon-fuku.co.jp/blog/18418/  でも、触れたアイテムです。

ん? 夏対策なのに、温かい?

はい🙋‍♀️それが、光電子®️と言う繊維の特徴です。
 
冬はこの様な仕組みで、自分の体温を輻射してカラダをポカポカにしてくれます。
 ↓↓↓
(株式会社グラントイーワンズ 総合カタログより)
 

具体的にどうなるかと言うと…
 
モコモコに重ね着しなくても、
めっちゃあったかくて、
超絶スマートなオシャレ番長完成‼️
 
です❣️
 
敢えて言うなら、ラスボス的アイテム✌️
 
弊社のコンセプトは、
「日本の職人技術の承継」
 
このラスボス的アイテムも、
熟練職人さんが高機能ミシンで
一着一着縫製しています✨
 
是非、一度ご試着なさってください。
コチラの「スーツカウンセリング(ご相談)予約」から、ご予約頂けます。
 
LINE公式アカウントでのご質問もお気軽にどうぞ😊
 
プロアスリートを指導されていたり
プロアスリートのコンディショニングをされている
カラダのプロは…
 
縫製を見てうなり
試着して目が1.5倍くらい見開かれ…
店内を歩き出します。
 
ファッショニスタの皆様は、
スーツ映え
で、お喜びくださっています。
 
弊社スタッフも着用していますので、
ご来店の際、着心地をご質問頂ければと思います。
 
 
 
*     *      *
 
以上、スーツ屋の視点から「寒さ対策」を長々と書かいてしまいましたm(_ _)m
最後までお付き合いくださり、有難うございます。
 
では、また(*’-‘*)ノ”
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